縁の下の舞

2016-11-29

〈あまり見ることのないウッドデッキの下の顔、ちょっとご紹介します。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

ここのところ、何故か木製デッキ関係のご依頼をよくいただきます。先日サンルームを設置したお宅も次はデッキと階段の設置がありますし、KJWORKS施工でないお客さまからデッキだけつくるご依頼、そして今日もまたデッキの一部改修のお話をいただきました。

 

室内から段差なく出られる木製デッキは、まさにアウトドアリビングというべき屋外空間で、とても気持ちがいいもの。そして今日デッキの改修のお話を頂戴し、先日の現場で撮った写真を思い出したんです。

 

これ、木製デッキを支えている骨組みの部分を写したものです。あまりこういうところをブログに載せることもないでしょうから、よい機会なので今日はそのつくり方を少しご紹介してみましょう。

 

まず地面を平らに均し、そこに「束石(つかいし)」を並べます。四角いコンクリートブロックですね。そしてその上に、木の束を立てる。束石からは束を留めるための金物が出ているので、これで束を固定。

 

次に、並んだ束の上に水平材を通します。これを「大引(おおびき)」と言ったりしますね。大引が何本も通ったら、それと直交方向にデッキの床材を張っていくのですが、その前にもうひとつやることが。

 

写真では濃い茶色のラインとして見えていますが、大引の上に板金の笠をかぶせておくんですね。これをやっておくと、大引の上面が雨に濡れにくくなり、そのぶん長持ちする、というわけなんです。

 

こういうちょっとしたことが、木材の寿命を延ばす。屋外で木を扱う際に、特に気をつけたい部分です。そして、分厚い無垢板をデッキの床仕上げとして張っていきます。もちろん、ビスはステンレスで。

 

木製デッキは上から見ても非常によい雰囲気のものですが、こうしてそれを支えている下の部分も、その仕組がよくわかり、かつ整然としてなかなか美しい。私はそう想うのですが、皆さんはいかがでしょうか。

 

デッキ下の地面の処理も色々あります。この写真は砂利敷ですね。普通に土のまま残しておくと、雑草が生えて抜きにくいので、こうすることが多いかな。土間コンクリートを打つこともありますが、出来れば雨水が染み込むほうがいいですから。

 

また、私が覗き込んで写真を撮っているデッキの周囲の「空き」ですが、土地によっては野良猫が入ってくる、ということで、ここも板で塞いでしまうこともあります。ただ、風は通るように「目透かし」にして。

 

ウッドデッキの下という、あまり目立たないところにも、むしろ目立たないし入っていきにくい場所であるが故に、きちんと丈夫に長持ちさせるためのつくり方の工夫が必要、ということなんですね。

 

ここまで書いて、ふと「縁の下の舞」という言葉を思い出しました。「人目につかないところで、他人を支える苦労や努力をすること。また、そのような人。」という意味の言葉です。

 

ウッドデッキの下で頑張っているこうした部材や工法は、アウトドアリビングでの愉しい半戸外生活を成立させるために、まさに文字通り「縁の下の舞」を舞っている。

 

家づくりでは、出来上がったら見えなくなるところにこそ慎重な施工が求められます。このデッキの下の写真は、そういう縁の下の舞姿を見られるが故に、私には美しく感じられるのかもしれません。


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