焼き方・呼び方

2016-11-30

〈ふとしたことから粉もんの名前の話をしながら、粉もんを食べる夕餉でした。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日は食べもの話、それも関西人が大好きな「粉もん」の話。駄文にしばしおつきあいを。

 

今日はお休みをいただいておりました。晩ご飯も私の担当で、今日は次女のリクエストにてお好み焼きに。と言っても、我が家の子どもたちが好きなのは、広島風の重ね焼きですが。

 

なので、リクエストを出した彼女に、「わかった。じゃあ夜は広島焼きにしよか」と言いましたら、今までそんなこと言ったことないのに、今日に限って「あ、広島焼きって言ったらあかんねんで」と返してくる。

 

「なんで?」と聞くと、「広島の人に怒られるで」と。誰かに聞いたのでしょう、彼の地ではあくまで「お好み焼き」、広島焼きは蔑称だというのです。確かに正しくは「広島風お好み焼き」とすべきなのかも。

 

でも、広島に行って「広島焼き」と言うのはよくないかもしれないけど、関西に居てそう呼ぶのなら、問題ないのでは?そう私は思いました。じゃあ、広島の人は関西のあの混ぜるお好み焼きをどう呼ぶのか?

 

今まで考えたこともない話、ちょっと面白くなってきました。そこで私の頭に浮かんだのが冒頭の写真の食べものです。これ、皆さんはなんと呼びますか?大阪の人なら、普通は「明石焼き」ではないでしょうか。

 

これも、大阪近辺のたこ焼きとはまた違う食べものですよね。写真の時には姫路のお客さまと一緒に、本場明石の魚の棚商店街でいただいたのでした。食べ方もお味も上品で、私はとても好きです。

 

で、これを明石の方が「たこ焼き」と呼ぶかというと、違う。「玉子焼き」と呼ばれるらしい。でも卵だけでなく粉も入っているらしい。では「明石風たこ焼き」も間違っているとすれば、明石焼きは蔑称なのか?

 

また、私は食べたことないのですが、神戸の長田あたりには「ニクテン(焼き)」という粉もんがあるそうですね。すじ肉とこんにゃくが具に入っているという。なんだかビールが進みそうですね。

 

明治にいち早く開けた神戸港、そこから入ってきた小麦粉をつかってできたニクテンこそが、関西と広島、別のスタイルをもつお好み焼きの共通の祖先だ、と言う方もおられるようです。

 

他にも、南大阪・岸和田の方には「かしみん焼き」というのがあります。これは私も食べたことがあって、「かしわ(鶏肉)」と「ミンチ(牛脂)」が上に乗っかっていて、なかなか美味しい。

 

これらは独自の呼称をもっていますが、お好み焼き系列の粉もんでしょう。他にも忘れてならない「ねぎ焼き」というのもある。即ち、独自の呼称をもっていれば、他地域でその名称が問題になることはない。

 

同じ「お好み焼き」なのに違うスタイル、というところに先述の呼称の問題がある。いっそ「お好み焼き」を廃して「広島焼き」と「大阪焼き」にすればいいのか。いや、それは余計に波乱を呼びますね(笑)。

 

なんだか結論がなく申し訳ありません。でもまあ、各地でそれぞれに呼び方がある、で済む話。郷土の食べものを愛する気持ちはわかりますが、他地域での呼び名にまで目くじらを立てるのは、少し了見が狭いことのように思いました。

 

しかしこういうことも、大げさに表現すれば情報化社会がもたらす現象のひとつとも言える。面白いですね。昔はそうした他地域の食べものを知り、食すということは滅多にないことだったでしょうから。

 

今宵、粉もんの名前について家族で話す、それもまた愉しい夕餉の時間。ちなみに鉄板上には「広島風お好み焼き」、ねぎ焼き、そして何故かチヂミも登場して、地域にとどまらずニ国間粉もん協議の様相を呈した山口家でした。


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