子どもの重心

〈来年に向けた新しいものづくりのお話をお聞きし、嬉しい気持ちで今年を締めくくれそうです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

いよいよ今年も押し迫ってまいりました。KJWORKS阪神は、27日までの営業となります。今日はそんな大詰めの中、新しいものづくりのお話をお聞きしに、お客さま宅へとお伺いしていたんです。

 

KJWORKSがつくった木の家にお住まいのお客さま、ご自分の志事を着実に発展させてきた経営者さんでもあるのですが、今度は自分の経験を活かして児童福祉の分野に展開していきたい、とのお話。

 

そしてその「保育園」という器は、やはり「自分の家みたいにしたい」と。なんとも言えず嬉しいですね、住まい手さんからこうしたお気持ちをお聞きするのは。まさに、つくり手冥利に尽きるというものです。

 

先日もこのブログに「木の家の延長線上の施設」のことを書きましたが、これもそのひとつ。そんなことで来年は、ついに私が想い続けてきた「木の保育園」の計画が実現のレールに乗るかもしれません。

 

今日の冒頭の写真は、KJWORKSによる保育園の事例、伊丹市にある「森のほいくえん」での一コマ。小国杉の分厚い無垢板の上に、これも空間と併せてつくった、集成材による家具が並んでいますね。

 

この可愛らしい家具、置く向きを変えることで、低い椅子、高い椅子、作業台、座卓と、色んな使い方が出来るようになっているんですよ。先生方のご意見を採り入れながらつくった、素敵な多用途家具です。

 

幼稚園や保育園といっても、木の家の延長線上につくる施設であれば、その空間の雰囲気はさして変える必要はないと思います。木の家と同じような、ただもう少し広い「木の空間」があればいい。

 

でも、木の家との最も大きな違いは、子どもたちの「目線」が主である、ということでしょう。家庭では高い椅子によって大人とテーブルで並ぶようにする子どもの家具も、保育園ではこの写真のようになる。

 

そう、保育園という子どもたちが主である施設では、いわば全体的に重心が低いんですね。大人がそれに合わせていくというのが、木の家との最も大きな違いで、こうした家具もその象徴的なものです。

 

そうしたことを、私たちも実際に伊丹でつくる経験をしてみて、肌で感じています。私などは「保育園」と聞くと、この木の床と可愛い椅子の光景が目に浮かぶ、というくらい。

 

これは書いてみるとあたり前のようで、でも木の家に慣れきったつくり手がついつい忘れてしまいがちなことではないでしょうか。空間の重心が普通よりもぐっと低い位置になっている場の設えというのは。

 

私も何度かメンテナンスでこの「森のほいくえん」に出入りさせていただいており、今日はお客さまに、そうした自分の体験としての「木の保育園」のお話をしてさしあげることも出来ました。

 

まだはっきりと計画確定はしていませんが、構造から木を使った「木の保育園」、そうした重心の知恵も活かして来年はぜひ実現したいし、もっともっと増やしていきたい。そう心から想います。

 

その実現を夢想すると、なんだか今からもう、木の温もりの空間の中に可愛い木の椅子が並んでいる光景が見えてくるような、そんな気がする私なのです。


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