網戸の実験

〈自宅の大掃除で、自宅を建てる前の設計の頃を思い出していました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日はちょっと、13年前の私のこだわりについて書いてみます。

 

KJWORKS阪神の本年業務は昨日まで。といっても、実は事務所の大掃除をし損ねているので、明日おこなうつもりです。そして今日は、その前に自宅の方の大掃除なのでした。

 

朝からとてもいい天気、気温は低めですが、お日さまが出ていると身体も動きやすいですね。私が年末の大掃除で必ず担当するのは、窓まわり。網戸の水洗いと、ガラス拭きです。

 

窓まわり掃除は普段なかなか出来ていないし、年末一気にやってしまうと見違えるようになって、まさに新年を迎える気分になるのが好きです。ここ何年かの通例通り、うちの末っ子と分担しておこないました。

 

冒頭の写真は、2階のバルコニーデッキで洗った網戸たちを、斜めに立てかけて乾かしているところ。わが家の網戸は、大小合わせて25枚。これだけをタワシでゴシゴシやっていると、結構な時間がかかりますね。

 

ずらっと並んだ網戸の写真、よく見ると、この中で一枚だけが黒い枠の網戸、それ以外はシルバーの枠の網戸ですね。実際には今日洗った25枚の網戸には、色と種類によって3つのタイプがあるんです。

 

私の家の窓はほとんどが木製サッシで、カナダのローウェン社のものです。そして一部が日本のアルミサッシ。国産と外国では、サッシそのものも違うし、それに応じて網戸の付き方も違っていますね。

 

基本的に、ローウェンの木製サッシの網戸は、固定で動かないタイプです。対して日本のいわゆる「引違い窓」では、網戸もレールの上を引いて動かすことができる。では、木製サッシの「引違い」はどうなのか?

 

海外の木製サッシの場合、引違いという概念がないようで、たいてい2枚のガラスのうち片一方だけが動く「片引き」です。そしてその網戸は、掃出窓の場合しか動きません。腰窓ならサッシ外側に固定です。

 

また私の自宅にある引違いあるいは「片引き」の窓以外は、大抵が「縦すべり出し窓」、あるいは「横すべり出し窓」です。これらはどれもクルクル回すハンドルで操作するので、網戸は内側に固定です。

 

そして、わが家の外観は黒い板張りとシルバーのガルバリウム。サッシの外部側の色も、外壁に合わせて黒とシルバーに分けています。そこでサッシの外部の色と、網戸が内外どちらに付くかによって色が決まってきている、というわけ。

 

1.木製サッシ・外部が黒・網戸が外付け → 網戸の枠は黒

2.木製サッシ・外部が黒・網戸が内付け → 網戸の枠はシルバー

3.木製サッシ・外部がシルバー・網戸が外付け → 網戸の枠はシルバー

4.木製サッシ・外部がシルバー・網戸が内付け → 網戸の枠はシルバー

5.アルミサッシの場合は網戸枠は全てシルバー(シャイングレー)

ということで、実際には2が一番多く、網戸は大半がシルバーで、ごく一部が黒になります。ここでのルールは、網戸が外付けならサッシの色に合わせ、網戸が内付けならサッシの色に関わらずシルバー、です。

 

色々とややこしいことを書いてすいません。要するに「室内から木製サッシの木の部分と黒とが並ばない」こと。室内に黒いラインが見えないこと、がわが家の網戸に関する決め事だったんですね。

 

通常は、サッシの色と網戸の色は同じです。でも、それをあえて別々で発注し、なおかつハンドルの色なども特注だったので、サッシメーカーさんはかなり困られたと思います。実際、費用もだいぶ掛かりました。

 

でも、それが可能な木製サッシであるならば、外部からの見え方、室内からの見え方、ともに最良の方法でいく。それが自邸を設計していた当時の私のこだわりであり、自宅がその実験的な試みだったのでした。

 

今日、網戸を洗いながら、その当時のことを思い出していた、という次第。実際に暮らしていて、室内側のまとまり、外部側の外壁との馴染み、どちらも違和感なく、この実験は上手くいったと自負しています。

 

やはり家づくりのプロたるもの、こうした既製品の色や形、見え方全般についても、一般の方々とはレベルの違うこだわりをもっていて然るべきでしょう。そしてそれをお客さまにきちんとご説明できなければ。

 

休みに網戸を洗いながらこういうことを考えているのは「志事馬鹿」だなあ、と思ったりもしながら、でもこだわることの大切さも改めて感じていた今日の私でした。


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