隙間の改善

〈デッキの板を張り替えるのに、元とは違う寸法で施工しました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日今日と、築14年目を迎える木の家で、バルコニーデッキの床板張替えの工事をおこなっておりました。今回は、全てではなく大半を張り替えるという、ちょっと珍しいパターン。

 

冒頭の写真左下に少し写っているのが、既存の床板。ずいぶん色が変わってしまっていますが、今回新しく張った板と同じ素材です。信州からやってきた、唐松の木の無垢板ですね。

 

でも、14年前と今と、同じ唐松材を使ったデッキではあっても、その寸法には違いがあります。板そのものの幅と、板と板との間の隙間の寸法が、どちらも広がっているんです。

 

その部分のKJWORKSの標準仕様がいつ頃変わったのか、私ももう憶えていません。14年前の仕様は板幅105mm、隙間5mmでした。でも今回張った部分は、板幅120mm、隙間が10mm。

 

特にこの隙間の寸法が倍に増えているのが、実は大きな意味をもっているんです。それはこのデッキの板を築14年目で大幅に張り替えた原因とも、大きく関連しています。

 

築10年以上のお宅でも、唐松板に全く傷みがない場合もあります。そして、このお宅でデッキ材の傷みの進行を早めたのは、このデッキのすぐ横に聳え立っている樹木の葉っぱでした。

 

葉っぱが落ちて、デッキ材の隙間に挟まる。そしてその挟まった状態のまま雨を含んで、それがデッキの板に腐朽菌がはびこるのを助長していたんですね。

 

そして、隙間の寸法が狭いということが、上から隙間に落ちた葉っぱが下に抜けてしまわず挟まったままになるというリスクを高めてしまっていた、と言えるでしょう。

 

今回は事前にそれがお客さまとのお話の中で理解できましたので、現状と同じでなく、KJWORKSの現在の標準寸法に変えて張るということをご提案した、というわけなのでした。

 

たった5mmの差でも、その効果は段違いです。といって、15mmまで広げてしまうと、見た目に隙間が空きすぎて、ちょっと安心できない感じになってしまう。そこが微妙なんですね。

 

板幅を広げることも即ち隙間の数を減らすことで、葉っぱが挟まるリスクを低減する効果があります。しかしこれも、さらに幅を広げればコストアップになるし、板が反るという別のリスクを高めてしまう。

 

そしてそれらはまた、板の厚みとも関係しています。板の幅と厚み、隙間の幅、たかがデッキの板張りとは言っても、実は色々な要因を総合的に考えて決められているんですね。

 

KJWORKSの標準寸法が変化したのがいつかはうろ覚えですが、でもその理由は明確で、今回のような事例が他にもあったからでしょう。デッキ材の寿命を延ばすために、変更されたはず。

 

そうした改善のことも、つい改善後があたり前になると、その前を忘れてしまいがちです。今回の工事はそうした改善の理由と効果を、改めて私に感じさせてくれたことでした。


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