風が起きたら

〈いつもと同じものが、今日は違う意味で眼に入ってきました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日は木の保育園の「わくわくする場所」のことを書きました。その後も図面を描いたりスケジュールを検討したりしつつも、ずっとそれが頭から離れないでいます。そういう楽しい空間のあり方が。

 

そして今日は朝から、保育園の設計を担当してくれるスタッフ和田との打合せでKJWORKS本社「くらしの杜」へと向かいました。彼女は伊丹の「森のほいくえん」も担当し、私より専門知識を多くもっています。

 

プランの一部改善、今後の実施設計と申請の動き、色んな業者さんへの見積依頼のことなど、通常の家づくりとは少し違った施設ならではの進め方を打合せ。時々こうして設計担当と詰めながら、計画は進みます。

 

そして打合せを終え、さあ事務所で作業に戻ろう、と思って玄関の方へ向かった私の眼に、今まで「あるのがあたり前」であまり認識できていなかったモノが、急に別の意味をもって飛び込んできたんです。

 

ちょっと見えにくいですが、それが今日の冒頭の写真のモノ。本社ギャラリーの吹抜空間に吊るされた、大きなモビールです。木で出来たヤマガラやエナガなど森の鳥たちが10羽、空を舞うように揺れている。

 

この可愛い鳥たちのモビールは、旭川のクラフトアーティスト・早見賢二さんの作品。「ギャラリーZbiyak」という工房で制作活動をしておられます。どれも、北海道で見られる鳥たちをモチーフにして。

 

いつも見慣れているはずのこのモビールに、今日は「あっ」と声が出ました。全体ではとても大きく高さがあるこの作品、まさに計画中の保育園の吹抜けにぴったりやんか。もう、一瞬でその光景が浮かびます。

 

ちなみにこのモビール、反対側から見るとこんな感じ。

 

と、そこで、昨日から考え続けていた「わくわくする場所」のもうひとつの答えが見えた気がしました。それは「動き」です。動くものがある木の空間。ゆっくりと、風を感じさせるような穏やかな動き。

 

木の鳥が子どもたちの頭上に揺れていたら、とても楽しいですね。これはお客さまに是非ともご提案しなければ。そんな想いで写真を撮りました。この10羽の大きなモビール以外に、こんな1羽のもあります。

 

これはカモですね。頭と胴体、翼がマグネットでくっついていて、別々に動くんですよ。これもいいなあ。

 

いや、人間の眼の「慣れ」というのは本当に恐ろしい。あまりにも見慣れているので、普段は空間にそれが揺れていることすらも認識していませんでした。見えているようで、視えていない。

 

しかし、ここのところ自分の頭の中が保育園モードになっているので、それが別の意味で視えた。気持ちの有り様が違うと、いつもと同じものが違って見えると言いますが、まさにそういうことですね。

 

風に揺られてゆったりと動くこれらのモビールの姿、今日は久しぶりにじっくりと、今度は保育園の中にある姿を思い浮かべながら観察し、もう一度心に焼き付けたことでした。

 

そう、なんだか私の頭のなかにもふわっと風が起きたような、そんな新鮮な気分を味わいながら。


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