想いの調律

〈またひとつ、木の空間によく似合う落ち着いた講座が始まりました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、KJWORKS阪神「木の空間」で、久しぶりに新しい講座が始まりました。山本美佐子さんによる「心理書道講座」です。心理書道って何!?という感じで、今日は私も同席させていただきました。

 

山本さんのブログのトップには、「心が整う、私が変わる、心理書道」とありました。これはどうやら、文字を練習するという「型」の書道教室とはだいぶ違うようだぞ。そんなことを想像しながらの聴講でした。

 

今日ご参加の方は三名さま。まず山本さんが何をされるのか見ていたら、おやおや、まずは「今日書く言葉」を探すところから始まりましたよ。ちょっと意表を突く展開、これが心理書道たる所以なのかも。

 

たくさんの言葉が書かれた一覧表を見ながら、その中でもそれ以外でも、「イメージしたい自分、なりたい自分」といったものを表す文字を探し、それを正方形のポストイットに書き出し、並べていきます。

 

書き出し、並べながら、その言葉の出てきた意味、自分の本音を探り、そこから浮かぶ言葉もまた書き出す。そうして、皆さんの選ばれた言葉は増えていき、ポストイットがたくさん並んでいきました。

 

出し切ったらそれらを分類、カテゴリー分けしていきます。なるほど、こうした言葉を選んでいくというステップに時間を掛けることで、己の内面と向き合ってみよう、ということのように感じられた次第。

 

皆さんそこをじっくり詰めていかれて、最終的に今日私が書きたい言葉、すなわち今の自分が一体化したい言葉を選ばれたご様子。そこに納得するところまで来て、はじめて墨を擦り始めるんです。

 

私も後から少しやらせていただいたのですが、墨を擦る、という行為自体、もう何年ぶり、いや何十年ぶり?そのことに驚いてしまいましたが、でもこれって、なんだかとても気持ちが落ち着きますね。

 

まして、自分の今の想いを自分で言葉として選び取った皆さんには、その後にゆっくり墨を擦るというこの時間は、なおさらいつもの日常生活には無い、ちょっと特別な時間だったのではないでしょうか。

 

そこからは、いわゆる書道の時間。書くべき文字の部分的なところから練習し、その後一度書いてみて、山本さんがそこにアドバイスしたり、朱を入れたりしながら和気藹々と楽しく進んでいきます。

 

この、書いたものに朱を入れる、あるいは朱で丸を書いたりする、というのを見ていると、デジャヴを感じるような、とても懐かしいような気分になりました。それはご参加の皆さんも同じだったご様子。

 

今日の成果として、自分が選んだ文字を書き上げられた皆さん、それぞれにとても嬉しそうでした。山本さんの言葉「心を無にし筆で紙になりたい自分のイメージを書く」ことの結果がこれなのでしょう。

 

書の出来、良し悪しは二の次、というと失礼ですが、でも自分の進むべき方向にある自分のイメージを、言葉として墨で描く、そこまでの過程で自分の想いを見つめ、整え、そしてそれを投影すること。

 

「お手本のように書く」という模倣ではなく、自分の内面にあるものを外側の自分と一体化させるために書く。それは自分の想いを優しく調律するような行為だと、私には感じられました。

 

人は何をフィルターにしても自分の内面を感じることが出来ると思います。しかし「書」を通して感じられるものは、中でも日本人である自分のアイデンティティに触れること、なのかもしれませんね。


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