和風のその先

〈システム住宅と呼ばれる木の家、その建て方の速さを実感しました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

年明け一番に地鎮祭をおこなった木の家の現場で、今日は待ちに待った建て方の日でした。私も何とか現場確認の時間をつくるべく、打合せの合間を縫って、お昼前に川西市の現場へと到着しました。

 

この木の家は、KJWORKSが新しく取り組むシステム住宅「E-BOX」です。集成材の柱や梁を使い、「ビッグウォール工法」で構造材と壁パネル、断熱材、サッシまでを一体化し、現場で一気に組み上げます。

 

なので、現場の進捗が早い。冒頭の写真はお昼少し前ですが、朝から始めてもう2階まで上がっています。あとは屋根を組むだけで、しかも窓までもう付いている。通常は夕方までかかりますから、早い早い。

 

当然、もう3時くらいには屋根まで到達し、屋根の防水シートまで、今日の内に出来上がってしまうんですよ。そして、この写真でもうひとつ見るべきものは、壁にくっついている水色のシートです。

 

これは透湿防水シートという名前で、外壁の防水のためのものです。このシートもビッグウォールについてくる。折りたたまれた四隅を広げて留めていけば、もう今日の内に外壁防水まで仕上がる、というわけ。

 

このように、一日で工事が屋根、壁ともに防水の段階まで進められるということは、その日が晴れならば、もう次の日からは雨でも心配ない、大事な構造体は濡れることがない、ということでもありますね。

 

実はこのことは、画期的な新手法というわけではなく、従来の日本家屋の方法をさらに推し進めたものだと言えるでしょう。日本の伝統工法とは、言わば「雨に邪魔されにくいこと」を主眼にしているからです。

 

建て方で柱と梁を一気に組み上げ、棟を上げ、最短で屋根まで到達する。そして屋根をつくってから、次に外壁をつくり始める。それは、雨を防ぐ最も重要な部分を先につくる、という意味でもあるんですね。

 

これが、外国由来の木造工法である「ツーバイフォー」では全く手順が違います。一階の骨組みと壁をつくり、二階を同様につくらないと、屋根はつくれない。その間に雨があると、構造体は濡れてしまう。

 

私はツーバイフォーの現場を見るたびに思います、やはりこれは気候の違う国から来たやり方だなあ、と。雨の国と言ってもいい日本には、やはり早々に屋根がつくられる建て方のほうが、理に適っていますよね。

 

ということは、E-BOXのビッグウォール工法とは、システム化住宅という名を冠しているものの、その思想とはまさに日本の木の家の延長線上にある。言い換えれば、和風のその先にあるものではないでしょうか。

 

大切な家、その構造を雨に濡らさない。そうした考え方自体も、木に対する日本人の畏敬の念のあらわれですよね。E-BOXの建て方は、そうした良い部分を受け継ぎ、さらにそれを先鋭化しているのかも。

 

今日はたちまちにして上がっていく建て方の様子を見ながら、そんなことも考えていたのでした。いずれにせよ、無事の上棟、まことにおめでたいことであります。


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