生きることの不思議

『DINO DINO』1~3巻   所十三 著   講談社

 

「本を広げたかたちは、鳥のかたち。」

ご愛読、ありがとうございます。暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日一日寝ていて、今日はだいぶ熱も下がりました。打合せがないので念のため家に居ますが、ずっと眠っているのもしんどい。といって難しい本は読めない。そういう時は、漫画がいいですね。

 

私のもっている漫画と言えば、『BLACK JACK』など片手に余るくらいしかありません。その中でもレアだと自分で思うのが、この『DINO DINO』。これは、擬人化された恐竜たちが織り成す物語です。

 

全3巻、一話完結。冒頭の第1巻の表紙に描かれているのは、トリケラトプスの「ウマソー」と名付けられた子供です。彼は何の因果か、本来なら喰われてしまう相手、ティラノサウルスに育てられました。

 

本書にはそうした、種の生存本能や弱肉強食の掟を超えた、何か不思議な共生関係のようなものをテーマとした物語が多く描かれているんですね。そしてその基本に流れているのは「生命賛歌」なんです。

 

しかし、その不思議なお話を単なる空想の世界に終わらせていないのが、年代や地域、そして登場する恐竜たちの姿や生態についての非常にしっかりとした考証、ディテールの押さえだと言えるでしょう。

 

世にこうした「恐竜好き」の方は数多居て、私もその一人です。いわゆる「古生物学」が年々進化し、解明が進むにつれ、恐竜の生きていた時代のこと、その真実の姿が明らかになってくるのは、とても楽しい。

 

本書にも、物語の間のコラムのようなものとして、そうした古生物学の(当時の)最新のデータが紹介されています。それがまた面白いんですね。かつての地球上の覇者であった恐竜たちの多種多様さが。

 

私はこの漫画を読むと、いわゆる「文明」というものを剥ぎ取った生身の生き物として自分がどう生きているのか、それを自問するような気分になります。生物としての逞しさを教えられるように感じます。

 

ちょっとマニアックですので、多くの方に向いているかはちょっと自信がありませんが、お話自体は軽く読めて、生命の奥深さを感じ取れるよい作品だと思う次第です。


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