段差をなだめる

〈高低差のある敷地ばかりを検討していて、つい頭が固くなっていました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

このところ、道路との段差のある敷地に建物を計画することが多い。今日もそういう作業にいそしんでいてふとそう気づき、そう言えば最近そういう持ち味の土地ばかりだと改めて感じました。

 

道路との高低差のある土地は、その段差の処理がコストアップ要因になることが多いですね。しかし、逆にその部分に平坦な土地では得られない変化が出るというあたりが面白い、とも言えるのですが。

 

今日も道路と大きな高低差のある土地のことを考えていて、ふと思い出したのが、冒頭の写真の家でした。この木の家はKJWORKS本社「くらしの杜」のすぐそばに建っている、私がプラン担当したお宅です。

 

その家の外観もさることながら、お庭廻りのしつらえが面白いでしょう?車庫にはオーバードアがありますが、お庭の部分はいわゆるオープン外構で、しかも道路に向かって徐々にうねるような形になっている。

 

そのうねりが美しい芝生に覆われて、とても楽しげなお庭の姿ではありませんか。これがフラットなお庭だと、道路の際(きわ)はさらに大きな段差を処理する擁壁になって、威圧感を生じることでしょう。

 

道路と高低差がある敷地だと、ついその段差を擁壁で処理することを選んでしまいがちですが、こうしてお庭の中に高低差をスロープという形で表現することも出来るし、それが逆に変化を生むこともある。

 

そして、今年の私のテーマとなりつつある「木の保育園」などでは、園庭の中にこうした起伏やうねりがあったりするととても楽しそう。子どもたちがそれを遊びの要素として上手に活用してくれそうですね。

 

高いところ、低いところ、うねる地面、坂道。それらは単なるまっ平らなお庭より、どれだけ楽しいことでしょう。走り回り、芝生の上を転げ回る子どもたちの姿、その笑顔が目に浮かぶようです。

 

段差をどう無理なく処理するか。最近そうした敷地ばかりに出会っていて、つい私も「遊び心」を忘れてしまっていたようです。ふと思い出したこの一枚の画像がそれを思い出させ、我に返る感じがした次第。

 

家には庭がつきもの。お庭のあり方も家の一部かつ街の一部である以上、段差を強硬にコンクリートで固めるだけが能ではない。もっとその強さ硬さをなだめてあげて、楽しい起伏に変換したお庭であってもいい。

 

なんだか、ふっと肩の力が抜けた気がしました。こういう時にこそ、また良いアイデアが出てきたりするものですよね。もう一度頭を柔らかくして、よい答えを探してみようと思います。


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