消失点さがし

〈水のない川がどこから出来るのか、確かめるために歩きました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日は私の個人的興味を追った話を、少し。

 

冒頭の写真、芦屋のシンボルである芦屋川の、河口方向(南)を見たものです。川に水がなく、渇水していますね。私が車で出社する時は川沿いを北上するのですが、この渇水という川の異常がとても気になる。

 

でも、事務所がある阪急芦屋川駅付近では、普通に水が流れる川辺の風景なんです。車だからじっくり観察できないけれど、なぜ途中で川が干上がるのか。そしてその干上がっている場所はどこなのだろうか?

 

そして今日、芦屋の南の方で木の家に住まわれているお客さまを訪ねる用事があって、さればとばかり、気になるこの「渇水」を調べてみるべく、川を観察しながら河口の方向へと歩いてみたのでした。

 

北から南へ、写真でご紹介しましょう。まずは国道2号線「業平橋」から北を見たところ。まだまだ水は豊富で、滝も普通に落ちています。川の両側は桜並木ですね。

 

次にもうすこし南下して、鳴尾御影線から北を見たところ。国道2号線より南では川沿いは松並木になり、こちらの方が歴史があるようですね。そしてまだここでも水は流れていました。

 

ところが、さらに南下して国道43号線をくぐる道沿いを歩いてから川を見たら、水がなくなっていました。

 

冒頭の写真は、ここで水辺に降りて河口側を見た様子なのでした。ということは、川が消えるポイントはこの国道43号の下あたりがあやしい。そして少し川沿いに戻ってみたら、やはりそうでした。

 

43号線の真下に川床も舗装された部分があって、それが土手のようになって水を堰き止め、そこで流れが止まってしまっている。ここが川の水の消失点だったんですね。広い国道の下なので見えにくかった。

 

戻ってから渇水について色々調べてみたのですが、こういう現象を「伏没」というのだそうですね。即ち、水が地面にしみこんでなくなってしまうこと。芦屋川下流域では、特に夏にはよくある現象のようです。

 

最近まとまった雨がないのでこうなっているのだと思いますが、ただ「よくある現象」で済ませていいのか、という気もする。川の水が消えるということは、そのエリアの生態系が失われることと同じですから。

 

芦屋川は山が近いせいか、私の事務所付近でも水がきれいで、夏には子どもたちが川で水遊びをしています。魚もいるので、なおさら楽しいのでしょう。街中でそんなことが出来ることはとても贅沢ですね。

 

でも、そこから少し下流では、もう魚が棲めない状況になっている。なにせ、水がないのですから。自然の現象だとはわかっていても、なんだかとても寂しい気持ちがするのは私だけではないでしょう。

 

ただ、山が近いということは、雨の量によって川の水量が大きく左右されるということでもある。芦屋川には増水の際の警報システムが配備されていますが、渇水もその逆の現象だということなのかもしれません。

 

古代から、人の暮らしにおいて「治水」はずっと重要なものでした。21世紀の現代の、なおかつこのようなそう大きくない規模の川であっても、それを治めるということは非常に難しいことなんですね。

 

今日は身近な川をゆっくりと歩いてみることで、自然というままならぬ存在を改めて実感するような、そんな気分になった私でした。


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