身近い短い時

〈植物の生命力がみるみる漲る様子に、この時季いつも感動します。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日はとても暖かくて、いよいよ春本番か、という感じでしたね。この時期にしか見られない植物の美が、私の身の周り、行動範囲にもあって目を楽しませてくれますので、そのことに少し触れてみましょう。

 

冒頭の写真は、私の事務所「木の空間」にあるパキラ君です。この2ヶ月ほど、葉っぱがどんどん黄色くなって次々落ちていくのでかなり心配したのですが、今はこのように、新しい葉が芽吹いてきていますよ。

 

この、新しく萌え出づる葉の、なんと美しいことでしょうか。まさに生命力の色、輝きに満ちていて、本当に心が洗われるようです。このところ毎日、この新しい命をしばし眺めるのが日課になっているほど。

 

でも、この素晴らしい命の萌芽が見られるのは、ほんの短い間。新葉はみるみる大きくなって、あの大きなパキラの葉っぱになってしまいます。毎日見ていると、そのぐいぐい伸びる力の強さがよくわかります。

 

そしてもうひとつ、私が今週感動した生命力をご覧ください。

 

これは、リフォーム工事が始まったばかりのお客さまの敷地にあったもの。ユキヤナギですね。でも、花は白いですが、蕾がなんとも言えない美しいピンク色です。私はこういうユキヤナギは初めて見ました。

 

調べるとフジノピンクという品種らしく、蕾が出来てきた時が一番ピンクが濃く、花開くにつれて徐々に薄くなり、開ききった花は白くなる、というもののようです。写真ではその移り変わりがよくわかりますね。

 

この写真は三日前のもので、今日また行ったら、全部の花が白くなっていました。美しい蕾と花とコントラストが見られるのはほんの数日のことで、これまた限られたタイミングでのみ楽しめるもののようです。

 

今週はたまたま、このような「一瞬の生命力の煌き」を目にすることができ、刹那であるが故のその美しさを体感することができました。ああ、これが春だなあ、という感慨はこういう時にやってくるのかも。

 

「春」という言葉は「張る」が語源で、「冬」は「増ゆ」なのだ、という話を松岡正剛の著書で読んだことがあります。目には見えないけれども、植物の生命力は、冬の間にその体内で徐々に増えているのだ、と。

 

そしてそれが一気に「張る」、漲ってくるのが今のこの季節である、という説明でしたが、今日ご紹介したような一瞬の美しさは、まさに生命力が漲るその勢いを目の当たりにするようで、心動かされますね。

 

ほんの身近なところに、ほんの短い時間だけ現れる、生命力の光。日々の雑事に追われる中でも、それらが「張る」様子を瞼に焼き付けることで、己が四季という素晴らしい循環の中に居ることがわかる。

 

人間にとって植物は四季の目安であり、同じ生命として癒やしを与えてくれる存在であるということ、私はこの時季に最も強く感じる次第です。


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