暮らして育つ家

〈住まわれている木の家を巡る一日。その変化の仕方こそご家族の暮らしの現れです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日はあちこち動きまわる日でした。合わせて4軒の住まわれている木の家にお伺いする予定が重なり、終日車での移動、移動。お昼ご飯の時間がとれずに車内でパンをかじるなんて、久しぶりのことです。

 

住まわれて半年ほどになるお客さまへ、関わったスタッフの退職のご挨拶にお伺いしたのが2軒。どちらのお宅も、この半年でだいぶ家の中も落ち着いてこられた様子で、そんなお話も合わせてお伺いできました。

 

一軒のお宅には薪ストーブがあるので、この冬、初シーズンのストーブライフのお話も。やはり薪ストーブはまだ街の中では少数派ですし、最初の冬はご近隣への配慮もされながらのご使用になりますから。

 

そしてもう一軒のお宅では、その2階リビングからの山への眺望がちょっと変わっていました。「住んでみながら考えます」と言っておられた家の周りの植栽が、だいぶ実際のかたちになっていたんです。

 

この家の最大の見どころと言えるこの角の大きな窓。その端っこ、隣家の見える辺りを隠すように、アオダモの美しい葉が茂っています。2階から見えるよう、背の高い樹を植木屋さんが選んでくれたとのこと。

 

このように、住まわれてからの新しいご経験や、暮らしながら少しずつ変化していくことなどを見聞きするのは、つくり手としてとても楽しいし、またその「住まい手さんの視点」の学びにもなるものです。

 

そしてあとの2軒は、住まわれている木の家で工事がおこなわれているところ。ひとつは「木の保育園」へのリフォーム工事の現場打合せ、もうひとつは先日も書いた防音対策を施している木の家の進捗確認。

 

こちらもまた、先の2軒とはニュアンスが違いますが、もっと先輩の木の家が例えば「保育園」という第二の人生を歩んだり、あるいは暮らしぶりの変化に合わせてバージョンアップしたり、そういう変化です。

 

こういう場面を巡っていくと、ああ、やっぱり人と一緒に木の家も育っていくんだ、ということを本当に実感します。人の暮らしが営まれている間、それと並行して進む家の「成長」もまた止むことがない、と。

 

住んで当初、暮らしてみてわかったことからのフィードバックが始まり、その摺合せを通じて家もまた「一皮むける」のでしょう。そして年月が経つと、今度は住まい手の年齢や数の変化が家にも変化を呼ぶ。

 

こうした、それぞれの住まい手、それぞれのフェーズがもたらす家というものの変化を一言で表現するとするなら、やはりそれは「家が育つ」という言葉がもっともしっくりくるのではないでしょうか。

 

つくり手である私は、さまざまな木の家を建ててきましたし、本当にたくさんのご家族とおつきあいがあります。まさに家族の数だけ暮らしはあり、その木の家を成長させる要素も各々に違うのだと感じますね。

 

そして今日も、4つの木の家がそれぞれに家族の暮らし、生き方に合わせて成長していく姿を見ることができました。写真のアオダモが窓からの眺望をさらに引き締める様子にも、思わず口元が緩む私でした。


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