早道・寄り道

〈分厚い本がなくても商品を調べてデータを取得でき、かつ眺めても愉しめるのがWEBカタログです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日はとても良い天気でしたね。でも私は事務所で黙々と図面や資料づくりの日でした。そしてもうひとつ、お客さまからのご依頼で照明器具を探していましたので、その方法について少し書いてみます。

 

ほんの3年ほど前には、照明器具を探すというとメーカーの分厚いカタログを何冊も出してきて、ページをめくりつつそこにある器具の写真とスペックとを見比べながら、セレクトしていたものでした。

 

でも、私の事務所には照明器具のカタログは一冊もありません。今やどのメーカーもWEBカタログを整備してくれていますので、そちらで探します。冒頭の写真はそのカタログ画面のスクリーンショットですね。

 

これはコイズミのカタログ。そのペンダント(吊下照明)の項の最初あたり、器具の一覧が載っているページです。WEBカタログは皆、このように紙のカタログの体裁をそのまま踏襲したものが多いようです。

 

それは何故か。従来の方法からの変化で操作に迷わないように、あるいは紙のカタログ用のデータがそのまま使えるため、などが思い浮かびますが、根本的には「モノの探し方」の違い、ではないでしょうか。

 

普通、WEB上の膨大な情報の中から自分が必要とする者を探し出すのに最も有効で、今や誰でも普通に使っている機能は「キーワード検索」というものでしょう。「続きはWEBで、カチカチッ」というやつです。

 

言語情報を元に何かを探すならこれに勝るものはないと思いますし、その威力は凄い。キーワードの組合せで様々な探し方ができます。昨今は画像のイメージで「似たもの」を検索する機能も出てきていますね。

 

でも、ちょっと考えるとわかりますが、カタログを観るという行為は検索的な情報収集とはだいぶ違います。それは数多あるモノの情報を集中させ、インデックスをチェックして、お目当を順に探すという方法。

 

こういう探し方は、「検索」に対して言うなら「閲覧」になるでしょうか。順に内容を調べながら観ていくこと。即ち、モノを探す場合には、検索だけではそのモノに辿り着きにくいということでしょう。

 

WEBカタログは、そうした閲覧を許すフォーマットでつくられていて、それが紙のカタログと同じ姿である理由でしょう。そしてなおかつ、そこには「検索」と並ぶWEBならではの機能が盛り込まれています。

 

その機能とは「リンク」です。たとえば目次にある項目の言葉からその該当ページに、WEBサイトのように直接ジャンプすることが可能で、これはページ番号を探していく紙のカタログでの作業よりずいぶん早い。

 

かたや、情報を一箇所に集中させて、それを順に閲覧していく方法。かたや、集中させることは考えず、情報の大きな要素である「言葉」において共通点があるものをピックアップしていく方法。

 

そこに優劣はないし、用途に応じて使い分ければよい話です。でもものづくりの現場では、あるつくり手の商品全てをチェックすべき場面がよくあり、それにはカタログの方法論が向くということなのでしょう。

 

カタログという言葉には時に「型録」の文字が当てられることがあって、それを考えた人の知恵に感心しますね。型番を収録するというその機能を言い表しながら、音の当て字にもなっているのですから。

 

検索は有効な場合には最短で目当ての情報に辿り着きますが、言い換えれば少し味気ない。閲覧にはゴールへの道筋以外にも、思わぬ発見の愉しさ、読みものの面白さという要素が共にあるのが魅力でしょう。

 

その、いわば寄り道の魅力と言っていい部分は、今後WEB上にしかカタログがなくなってしまっても変わらず存在していてほしいもの。照明器具を調べていきつつ、そんなことを今日は考えていたのでした。


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