灯り守り

〈暮らしのフェーズの変化は、灯りそのものにも、その扱いにも変化を生むものです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今月に入ってから、照明器具についての投稿が多いのです。木の家の住まい手さんからの、器具についての問合せやご依頼がいくつもあり、それに対応すべく色々調べたり探したり、そんな日が続いていて。

 

冒頭の写真のお宅もそのひとつ、2階リビングの木の家。この表しになった勾配天井、空中を飛ぶ梁の構造美が、2階暮らしの「魅せ場」ですね。でも、照明器具については平らな天井よりもセレクトが難しい。

 

ちょっと見難いですが、手前リビング部分は傾斜天井に設置可能なシーリングライト、リビングとダイニングの間には梁の横面にブラケットの蛍光灯器具、そしてダイニングはペンダント(吊下照明)ですね。

 

このお宅は築8年になりますが、先日もここに書いたように、今や照明器具の光源は全てがLEDになろうというご時世。そしてある器具の球切れをきっかけに、器具全般についてご相談をいただいています。

 

これも先日書いた通り、光源がなくなれば器具ごと変えないといけないのか、という疑問はメーカーへの不信感になり、「これから大丈夫なのか」というご不安が首をもたげてくる。それは当然と言えるでしょう。

 

それに加え、お客さまは私よりもだいぶ先輩ということもあって、徐々に「今までよりも明るい照明」が必要になる、という変化も生じてきています。私ですら感じる現象ですから、これまたごくあたり前のこと。

 

さらに、この勾配天井に付いた器具などでは、電球の交換作業にも脚立が必要になるので、それもまた段々と苦になってきます。器具である以上、当然メンテナンスが必要になるけれど、それがしにくくなる。

 

このように照明器具に関しても、暮らしのフェーズが移り変わればまた変化が生じ、何らかその変化に追随していくことが必要になるんですね。しかし、新築当初からそれを全て予測することは不可能です。

 

住み始めた時のご家族に似合う灯りの計画、そして5年後、10年後、20年後。ある程度の想定はしておいて計画はしますが、しかしやはり大切なのは、家族と一緒に育っていく家をきちんと見守っていくこと。

 

アフターメンテではなく「家守り」と呼ぶこの住んでからのおつきあい、照明器具においては普段の球替えなどまでご一緒はしなくても、機器の大きな変化やご家族の変化の際にはお伺いして話し合うべきですね。

 

そうした「灯りの家守り」、私も家づくりに従事して18年という歳月の中で、自分の暮らしの経験をふまえてお客さまの言われることがよくわかるようにもなり、色んな「こうしたらいい」を貯めてきました。

 

しかし昨今のこの灯りの大変革では、もう一度自分の頭をクリアにして、今なすべきことをしっかりと見つめ直してお話をする必要がある。カタログなどを詳細に調べてみて、その想いはさらに強まっています。

 

いまと今後を見据えて、できること、やるべきことをプロとして考え、お気持ちも聞きながら計画へと落とし込んでいく。もう一度暮らしを豊かにする灯りのあり方へ。その重責こそやり甲斐ある「志事」です。


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