住みわけの俯瞰

〈見きれない量の雑誌がずらりと並び、それぞれの個性である「居場所」を守っているのを感じます。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日は私の志事中の息抜きである「雑誌を読む」ことのお話を。

 

以前にも一度ここに書いたかと思いますが、「dマガジン」というWEBサービスに加入しています。これは言わば「雑誌閲覧サービス」で、様々なジャンルの180以上の雑誌を画面上で読むことができます。

 

そもそもは「家庭画報」を読めるというのが加入した理由でしたが、他にも本当にたくさんの雑誌があるので、作業の合間の気分転換などにちょこちょこ眺めて楽しんでいます。とても全部は見きれませんが。

 

加入後は、よほど手元に保存したいもの以外は実物の雑誌を一切買わなくなりました。本当にこれでいいのかと時々思うほどですが、保存しないものは結局捨てるのだからどちらも良し悪しだという気もしますね。

 

上記の「家庭画報」や同じジャンルの「婦人画報」は必ず押さえますが、それ以外に最近必ずチェックしているものは、実用に役立つ料理雑誌の類です。主に8誌ほど、料理のレシピが多く載る雑誌がある。

 

面白いのは、雑誌によって料理レシピがその内容に占める比重が違っていること。例えば「NHK 今日の料理」「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」「3分クッキング」の3冊はほとんど料理ばかりです。

 

「オレンジページ」と「レタスクラブ」は、料理以外にも暮らしの中で役立つ情報を掲載している、という感じ。そして「サンキュ!」「Mart」「LDK」ではこれが逆転し、料理のコーナーとなります。

 

料理は個人の好みもありますが、それ以外のこうした「暮らしの情報」も、家づくりが志事の私には情報としてとても役立ちます。それらを気軽に閲覧できるのは嬉しいし、レシピはクリッピングで保存したりも。

 

そして毎月眺めていると、段々そうした雑誌毎の特徴が視えてくるのが結構面白い。こういうサービスによって、従来は本屋で読み比べて得ていた情報が一挙に俯瞰できてしまう面白さ、とでも言いましょうか。

 

料理以外でも、いくつもチェックしていると、雑誌というものが如何に「住み分け」を考えているかがわかる気がします。全く同じコンセプトで対立するより、違うスタンスの誌面で独自の読者を得ることを。

 

上記以外には「dancyu」「旅の手帖」「おとなの週末」「歴史人」「pen」「Discover Japan」「Casa BRUTUS」などを読みますが、厳密に同じ指向のものはないし、誌面もそれぞれの個性がありますね。

 

雑誌を買って読むことがなくなり、このようなWEBサービスを利用するようになって、逆にそれぞれの雑誌が「住み分け」を求めて苦労しているという実情がよくわかるようになった。これは少し皮肉なことです。

 

そのような細かい住み分けを形づくる雑誌の世界には、あまり「ジャンル」は意味をなさないのかも、とも思います。私の見る雑誌たちは、サービス上では「女性ライフスタイル」というジャンルのものが多いし。

 

個々の情報だけでなく、それらを同列に俯瞰することで初めて見える「メタ情報」もなんとなく感知できるのは、私にはとても面白い。それが雑誌業界によいことなのかは、正直ちょっと疑問ではありますが。

 

今後、こうしたWEBサービスは、そうした俯瞰の眼を前提として「並べる視点」という新しい切り口で勝負するようになるのかもしれない。メタ情報を感じながら、そんなことも想っている私です。


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