脱・食わず嫌い

〈初めてのショールーム訪問で、やはり見識の幅の大切さを想いました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は、私にしては非常にめずらしい場所へ、所用があって訪れてきました。冒頭の写真がそれ、「sangetsu design site」という文字が見えますね。ここは梅田にあるサンゲツさんのショールームです。

 

このショールームへ行くのも初めてで、その「ハービス大阪」という場所自体、ほとんど行ったことがありません。こういう風景の中に立つと、なんだかとても自分が場違いな感じがしますね(笑)。

 

さて、サンゲツとはどういう会社か皆さんご存知でしょうか。壁紙やカーテンなどを扱う、インテリア専門商社です。多分業界では最大手ではないでしょうか。そして今日はここへ、クロスを見に来たのでした。

 

クロスは業界用語で壁紙のことを言うのですが、KJWORKSでは壁紙使うことは滅多にありません。壁は左官で仕上げる漆喰などの自然素材がほとんどですし、収納の内部などはMOISSを使いますので。

 

特に今日探しに来た「ビニルクロス」は、まず木の家づくりで私が使うことのない素材です。でも、一般的にはクロスと言えばビニルクロスのことだし、世の大多数の家で室内壁や天井に使われているもの。

 

正直、ビニルクロスをこんなにたくさんチェックして検討したのは、およそ20年ぶり。KJWORKSに入る前、両親が家を新築した時に一緒に選んだものでした。そこから、とんとご無沙汰だったんです。

 

ではなぜ急に、と言いますと、実は小規模な賃貸マンションの一室をリフォームするというご依頼をいただいたから、なのでした。無垢の木の床にしたい、というオーナーさんのご意向がありまして。

 

賃貸住宅の室環境を向上させたいとの想いには大いに共感しますし、そのこと自体が差別化という武器になると私も思います。しかし、実現に踏み切られたオーナーの勇気には、心から敬意を表したいです。

 

そして、床は無垢板でいくとしても、やはり壁と天井は住まい手が変わった時に手軽にやり替えられるものの方が今回の場合はベターでしょう、という話になりました。そして今日の壁紙探検となった次第。

 

本当に久しぶりにクロスを色々とチェックしてみて、この業界も非常に進化していることを痛感しました。冒頭の写真にちらっと写っているように、とても洒落たインテリアのモデルルームも用意されている。

 

ベーシックなものはそう変わらない印象ですが、その防カビ性などの機能面は色々と付加されているようです。そして、多種多様な色、柄、テクスチュアの、かつ非常に落ち着いた良い雰囲気のものもたくさん。

 

正直に申しまして、漆喰などの自然素材を多用し続けてきたこともあって、クロスについてあまり真剣に検討したことがなく、その気もあまりなかったんです。言わば「食わず嫌い」だったと言えるでしょう。

 

漆喰などの「呼吸する壁」が良いとの想いは変わりませんが、色んな素材を知り、それを臨機応変に使い分け、かつコーディネートが出来るようでなければ、やはり本当の意味での設計者とは言えないですね。

 

私が昨今関わっている「木の施設づくり」でも、木の家とは少し違う考え方、頭の切替えが必要になる部分を感じています。そういう時に、やはり仕上素材の引出しには多くのモノが入っているほうがいい。

 

ビニルクロスを最高だとは言えません。しかし適材適所で使うための素材選びに「食わず嫌い」はよくないし、自分を狭めるだけですよね。今日はそんな反省を込めて、ニュートラルな目線で楽しむ時間に。

 

いくつかA4サイズのサンプルもいただき、事務所にもどって床材との相性もチェック。与えられた条件の中でどうベストな答えを出すか、脱・食わず嫌いでその答えの幅を広げていきたいと思えた今日でした。


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