まぜる吹抜け

〈だいぶ様子のかわったモデルハウス吹抜空間も、快適のための装置はそのままです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

昨日は自宅のPC不具合によりアップが出来ず、すいませんでした。久しぶりに各種会議でKJWORKS本社を訪れていたので、そのことを書こうと思っていたのでした。一日遅れですが、今日お届けします。

 

冒頭の写真、KJWORKSのモデルハウス「阿蘇小国杉展示情報館」の吹抜け部分です。大規模なリフォーム工事が終わり。2階から吹抜けへの見え方もだいぶ変わりました。以前は正面に階段がありましたから。

 

この吹抜けという家の中の「穴」は、開放感であったり家族のコミュニケーションであったり、色々と良い面があると思います。しかしその反面、季節によって問題となりがちなことも、この空間にはあります。

 

それは「上下の温度差」という問題。空気というのはどうしても暖かいものが上へ、冷たいものが下へと移動していきますので、吹抜けのような縦長の空間ですと、その温度差が非常に顕著に出てしまうんですね。

 

昨日モデルハウスでこの写真を撮っていて、そのことを改めて思いました。というのは、ここにはその温度差防止の策がふたつ、写っているからです。それは中央のプロペラ状のものと、右奥のダクトのふたつ。

 

中央のプロペラは「シーリングファン」と呼ばれています。その名の通り、天井に取り付ける扇風機ですね。これは空間の上と下での温度差を解消すべく、室内の空気を動かすための扇風機と言えるもの。

 

吹抜けの中央に取り付けることが多いこのシーリングファンですが、回転方向は正転、逆転と切り替えることができます。その理由は、同じ「空気を混ぜる」についても季節によって向き不向きがあるから。

 

これから迎える夏には、ファンから真下に風が送られるように回します。普通の扇風機と同じですね。最初は上に溜まった温度高めの空気がきますが、混じってくればこの方が、人に風があたって涼しく感じます。

 

逆に冬は人体に直接風が当たると、それが少々暖かい空気でも寒く感じます。これは夏も冬も同じ理屈ですが、風が人肌の熱を奪っていくからですね。ただ空気の温度だけが、暑い寒いの要因ではないということ。

 

断熱性能の高い家に加えて、シーリングファンで家の中の空気を混ぜてやることで、部屋による温度差の少ない家、吹き抜けがあることの良くない効果を大幅に軽減できる家になる、と言っていいでしょう。

 

そしてもうひとつの温度差対策である右奥のダクトは、そもそもは太陽熱利用の床暖房システムである「そよ風」で使うものです。屋根で暖めた空気を床下に送るダクトですが、それに加えて「循環」モードが。

 

冬に太陽熱が取れない時の補助で、吹抜け上部や家の一番高いところの空気を吸い、ダクトで同じく床下に送るという機能。これによって家の中で一番暖かくなる空気が床暖房の役に立つことになるんです。

 

こんな風に、吹抜けという本来「心地いい」空間がかえって暑い寒いなどの元兇となってしまわないために、家そのもの断熱性能と併せて、装置を使った「空気を混ぜる」工夫も非常に効果的なんですね。

 

だいぶ変わった吹抜けからの眺めを味わいつつ、また改めて感じていました。人の「心地よさ」というものにも色んな要因があること、そしてつくり手はそれを自分の体感として識っておくべきだということも。


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