13歳のあなたへ

『「ビミョーな未来」をどう生きるか』   藤原和博 著   ちくまプリマー新書

 

「本を広げたかたちは、鳥のかたち。」

ご愛読、ありがとうございます。暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は午後から自宅にて作業をしていて、ふと書棚からこの本を手に取りました。2006年初版の本書は、中学生に向けて書かれたもので、今から7年前、長女が13歳の時に一読を勧めた想い出のある本です。

 

著者・藤原和博氏をご存知でしょうか。詳しいプロフィールは氏が運営する「よのなかnet」にあるこちらをご参照願えればと思いますが、リクルート出身で、民間から中学校長になったことで知られる人物ですね。

 

ちなみに、私が本書と併せて長女に勧めたのは『13歳のハローワーク』という本でした。村上龍の著作で、同じく中学生向けに、数多の職業紹介を通じて「職に就いて生きる」ということを語った本です。

 

本書もまた「現代社会での生き延びかた」を語ったものと言えるでしょう。それは、赴任した中学校に新科目「よのなか科」をつくったという著者の、子どもから大人への一歩を踏みだす人たちへのメッセージ。

 

各章は授業を模した形式になっています。それらのタイトルだけでも、興味をもたれる方は多いと想像できますね。職業の種類と特徴を知り、社会と共にそれらも変遷することを知り、現代の処方箋を知る。

一時間目:サラリーマンで本当にいいの?

二時間目:小中学生の時に何を身に付けるか

三時間目:どんな仕事、どれほどの稼ぎ?

四時間目:どんな仕事が未来をつくる?

五時間目:君たちの生きる「成熟社会」の謎に迫る

六時間目:どうすれば、クレジット(信任)レベルが上がる?

 

そして一時間目の途中に、私たち多くの大人が子どもたちに上手に教えてあげられていない、最も根本的な疑問についての記述があります。すなわち「なんで仕事をするんだろう?」という問いについて。

 

あまりネタバレはいけませんが、とても良い言葉だなあと思うので、ここだけはご紹介させてください。著者はこう言うのです、仕事は「自分の人生をどう世の中に刻み込むか」の手段になる、と。

 

私も、娘に勧める前に自分で読んで、この言葉を始めとしてすっきり腑に落ちる部分が多かったのです。生きた証、人生の痕跡を世界に遺すべく、人は職業人として生きる。だからその道を正しく選ぼう、と。

 

そしてこれは読む前からの自分の持論ですが、金銭的な側面だけでない「職業の意義」に納得できれば、次には「なぜ勉強するの?」にも答えが導かれると思うのです。それは「職業を選ぶため」でしょう。

 

色んな職業のあり方を知ることと、その中から選んでその位置に辿り着くために学ぶこと。それが子どもたちに必要なことであり、それに先輩として協力することが大人の務めである。私はそう考えます。

 

上記『13歳のハローワーク』や本書は、日常の生活範囲では知り得ない可能性を子どもたちに見せてくれる本。多くの職業を関連付けて網羅した職業地図「13歳のハローワークマップ」も載っていますよ。

 

久しぶりに読み返してみて、やはりとても面白く、説得力のある一冊でした。親も読むべき本だと思いますが、私としては、今度は中学2年になった13歳の末っ子にも勧めてみようかな、と考えています。

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