大らかな居場所

〈子どもたち用の可愛いトイレ。ここにもリフォームならではの工夫があります。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

のっけからトイレ内部の写真で失礼いたします。あとは外構を残すのみとなった「木の保育園」リフォーム工事、保育室に隣接した子どもたちのトイレも無事に仕上がりました。今日はそのことを少し。

 

写真だとちょっと伝わりにくいですが、子どもたち専用の衛生陶器って、とっても小さくて可愛らしいんですよ。今回は元々洗面とトイレだった場所の改修で、変わったのはこれら機器の配置と床仕上げです。

 

KJWORKSがつくる木の家では、トイレや洗面の床も木であることが多いです。しかし、さすがに保育園のトイレの床は、一般の住宅と同じには出来ませんね。子どもたちが粗相をすることもあるでしょうから。

 

ということで、水拭きが出来る素材に変更します。と言っても塩ビのクッションフロアは嫌なので、天然素材を用いたリノリウムに。色はお客さまと決めた鮮やかなオレンジ色、華やかで良い感じですよ。

 

そして手前が手洗いです。ここにもお客さまとの話合いで決めた工夫があって、それはこの大きな四角い洗面ボウルです。元は病院用の流しとしてつくられたものを、大きな手洗い場として活用したんですね。

 

普通ならカウンターをつくって、そこに必要個数のボウルを嵌め込む感じで設置するのですが、今回はリフォームということもあり、この部屋が真四角でないこともあって、その方式が上手く収まりそうにない。

 

ならばということで、今回はこの病院流しの出番となりました。カウンター自体もなく、ただボウルを壁から腕を出して支えているだけ。そして水栓は、長めに首を振るタイプが2ヶ所設けられています。

 

なるほど、こういう風に設置すると、ひとつのボウルに対して前に2人、場合によっては周囲全体で4人くらい立つことが出来ます。カウンターに個別ボウル方式では、とてもこうはいきません。

 

省スペースであって、なおかつ子どもたちがボウルの周辺のカウンターを水で濡らすという問題も起こりにくい。安全性に優れつつ使い勝手が良さそうです。コストをかけずに出来る上手い工夫ですね。

 

リノリウムという床がもつ「少々汚しても大丈夫だよ」という安心感、そしてこのボウルがもつ「どこで洗っても大丈夫だよ」という感覚、どちらも子どもたちの行動を優しく見守る大らかさが感じられます。

 

保育園という建築の根本にある思想とは、子どもたちを包み込むようなこの「大らかさ」なのかもしれませんね。そしてこのトイレ以外にも、「木の保育園」にはそれが色んな意味で有ると思うのです。

 

園児たちにはいつも元気よく、のびのびと育ってほしい。そのためにも大らかで、五感で安らげるような空間がそこにはあってほしい。私が「木の保育園」をずっとつくりたいと想っていた理由もそこにあります。

 

空間の広さや素材、そして様々な「決まり事」もそうですが、息苦しい、締め付ける作用のものは極力なくした大らかな園。トイレに限らずそんな建物として完成へ進みつつあるのは、大いに喜ばしい限りです。

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