家具がギャラリー

〈お伺いするたびに楽しみな場所、今日も鑑賞してまいりました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。今日は、昨年お引渡しをした住まい手さんのところへ、ちょっとしたメンテナンスの用事でお伺いしてきました。

 

本来の用事を済ませた後は、しばしその後の暮らしぶりのお話を。これから初めての夏を迎えられるので、風の通し方や、吹抜け上にあるシーリングファンの夏の使い方など、季節に応じた住まい方について。

 

それにしても、本当に家の中の空気がさっぱりとしています。無垢の木と漆喰が調湿効果を発揮しているのがわかる。「木の家の良さは梅雨に最もわかる」という私の持論も、そう間違っていないと感じますね。

 

今日の冒頭の写真は、そのお宅の一部。器好きの私には、行くたびに拝見するのがとても楽しみな場所です。でも、実はこれはキッチンの写真です、と言ったら皆さんはどうお感じになるでしょうか。

 

向こうの方に少しカランのてっぺんが見えていますし、何となくわかりますね。でも、向こう側は対面型のキッチンでも、こちら側は造付けの家具で目隠しされていますから、「台所」感はありません。

 

こちらの住まい手さんも器がお好きで、ティーカップのコレクションなどもおもちでした。設計段階から「それを飾る場所があったら」とのお話があり、その場所を対面キッチンのこちら側につくったのでした。

 

キッチンよりも一段高いこちら側のダイネットカウンター、そのすぐ下にはガラス入りの扉をつけて、その中に飾れるように。そしてコンロのこちら側になる壁にはオープンな棚をつけて、ここにも器を。

 

そしてダイネットカウンター上の照明器具も、ご夫妻が選ばれたちょっとレトロ感のあるガラスの灯りを2つ吊り下げています。全体に雰囲気があって、ちょっと家の中のプチギャラリーのような雰囲気ですよ。

 

対面キッチンと、その前にあるダイニングの間でコミュニケーションが弾む、そんな空間をつくりたいといつも思っていますが、その関係性の中に、こうした「見て愉しい」場所があるとなお効果的だと思います。

 

この、コンロの裏側の壁の使い方には本当に色んなパターンがあり得ます。本棚のような感じの飾り棚にもなるし、ただ白い壁で絵を飾るというのもいい。もちろん扉付きでしっかりと収納にすることも可能。

 

ダイネットカウンター下の収納は奥行きも浅めになるので、ちょうどダイニングやリビングに多い小物の収納として役立ちます。でも、そこに少しこういう遊びのスペースがあると、とても豊かな感じがしてくる。

 

空間の豊かさをつくる要素は、きっと数限りなくあると思いますが、こうした「魅せる」場所をしつらえることもまた、その重要なひとつでしょう。良いモノをもつ嬉しさを更に膨らませてくれる仕掛けとして。

 

家具を造りつつ、そこにギャラリーというあり方を組み込んでおく。それは良き発想のなせる業であり、お客さまとつくり手が二人三脚でつくる豊かさである。器を楽しく鑑賞しつつ、そう感じていたことでした。

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