木を洗うひと

〈無垢の木の汚れ落としには、そのための専門職がおられます。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

いよいよ完成が近づいてきた「木の保育園リフォーム工事」は、元々KJWORKSがつくった木の家を保育園にする、という工事です。そのため、家であった時とリフォーム後とで用途の変わる部屋があります。

 

そして、用途が変わる際に、元の部屋の汚れや傷みなどはなるべく綺麗に直して工事を完了し、改修部と遜色ないようにしたいところ。なので今回の工事では「洗い屋」さんがかなり活躍してくれています。

 

「洗い」は、工事としては「美装工事」と呼ばれますが、要はプロによる汚れ落としです。無垢の木にこびりついた汚れは、一般的な拭き掃除などではとても落ちませんから、プロの技が必要になるんです。

 

今日の冒頭の写真は、元々「脱衣場」だったところの床。向こう側に排水孔の跡がありますが、ここには洗濯機が置かれていました。そしてその部分の床は、水がこぼれたのか、カビで真っ黒でした。

 

今度は脱衣場ではなくなるので洗濯機は別の場所に移動します。床に残ってしまっては困るその汚れも、それ専用の薬品を上手に使って、洗い屋さんが写真のように綺麗サッパリと取ってくれましたよ。

 

他にも、ペットが飼われていたスペースの臭いの除去が必要な部分もあって、そこにはまたそれ用の薬品を使って対処を。無垢の木を傷めないようにしながら綺麗にする、それがまさにプロの技なんです。

 

洗い屋さんの本場といえばやはり京都で、社寺仏閣やお茶室など歴史的建造物を美しく維持するためには無くてはならない志事です。しかし最近はそのプロの数も減っているのだそうで、ちょっと心配。

 

私たちがつくる木の家は、新築であっても現場の最終工程として美装工事が必ず入ります。現場が進む中で汚れが木に付着することは常に起こり得るし、それらを最後に綺麗にしてからお引渡しとなります。

 

今回は用途変更をともなうリフォーム工事ということで、今までになく洗い屋さんが活躍してくれる現場となりました。新築では見ることの出来ない範囲の技を見ることが出来て、私もだいぶ勉強になった次第。

 

着色しない白木のよさを大切にする日本の木の建物と、その美しさを維持するために生まれてきた、木を洗う志事。木という自然素材をどう永く保つかに知恵を絞る、日本ならではの志事ではないでしょうか。

 

どんな志事にもプロの技があると思いますが、もっと木の建物が増えてこういう伝統の技が消えずに済むことを考えるのもまた、21世紀日本人の大事な役目ではないかと思うものであります。

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