出雲大社あらわる

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ご愛読、ありがとうございます。

 

ご覧の画像、左側は、島根にある出雲大社の本殿です。このたび、2008年からおこなわれていた「平成の大遷宮」による改修工事において、国宝・本殿を覆っていた素屋根の撤去が進み、真新しい檜皮葺の大屋根が姿を表しました!

 

鉄骨による素屋根は何回かに分けてスライドさせ、その都度少しずつ解体していく方法なのですね。何と言っても高さ31メートル、幅30メートル、奥行き37メートル、総重量600トンという巨大なものですから、そうそう簡単には撤去できません。スライド作業は計6回実施され、5月末には大屋根全体が見られるようになるそうです。

 

実は私、去年の秋に出雲を訪れ、出雲大社や松江城、足立美術館などを見て回ったのです。その時はもちろん御本殿は見えませんでした。秋に行く、というのがその時の目論見でしたから仕方がないのですが、大屋根の新しい勇姿を見られなかったのは、やはり残念でしたね。

 

解体修理に伴う調査で、大屋根の上の千木(ちぎ)や勝男木(かつおぎ)も、本来は緑青ではなく黒く塗られていたことがわかり、それも復元されて、きっと大屋根は以前よりもさらに重厚な感じになっていることでしょう。

また、あの時のように参道を歩き、今度はゆっくりと御本殿を見ることができたら、と思いますね。

 

そして出雲大社では、もうひとつ大きなニュースが最近ありました。それは、私たち建築屋にはとんでもなく興味をそそられる「設計図」の話だったんです。

 

鎌倉時代以前、出雲大社の本殿は今のものと全く違う「高層建築」であった、ということをご存知でしょうか?高さがなんと48mもあったと言います。長らく「ただの伝説」とされていたのですが、2000年に巨大な柱が発掘されたのです。直径1.3mの杉の柱を3本束ねたという凄いもので、これぞ高層本殿の柱に違いない、ということで大騒ぎになりましたね。

 

今回初めて公開されたのは、「金輪御造営差図(かなわのごぞうえいさしず)」という図面の、原本なんです。冒頭の画像、右側がそれです。ご覧ください。「柱を3本束ねた柱」が描かれていますね。そう、これこそ高さ48mの高層本殿の図面、そのオリジナルなのですよ!

 

これまでは、江戸時代につくられたとされる造営図の複製の公開にとどまっていたのですが、今回の大遷宮を迎えたことなどから、出雲大社が原本の公開を決めたのだとか。

 

今後の研究で、図面に使われている紙の調査、あるいは書かれている文字などの調査から、この造営図が描かれた年代を特定できるかもしれず、そうなれば高層本殿がいつ頃出来たかが判明する可能性もあるのです。まさに、古の本殿の姿を解明する上で、最上の資料といえるものなのですね、これは。

 

いま、現代の出雲大社は、新しく生まれ変わったその姿で私たちの前に現れ、また古代の出雲大社は、新しい資料の出現で、さらに鮮明なイメージを伴って現代にその存在を現す。

 

まさに今年は、出雲大社が新しい顔を見せてくれる、歴史的な年なのです。今年も行きたいな。


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