涼しげな屋根

竹の家

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

なんとも気持ちのよい、涼し気な屋根ではありませんか。しかも、天窓がついていて明るく、気持ちがいい!

 

この軽やかさ、涼し気な感じ、それはこの建築に使われている素材によるところが大きそうです。竹、ですね。ここはインドネシアのバリ島。この大きな竹の建築は、チョコレート工場なのだそうですよ。

 

バリ島では今、このような竹の建築が、環境に配慮した建物として、多く建てられているといいます。住宅はもちろん、商業施設や学校、リゾート施設などなど。工場だってこの通り、というわけですね。

 

軽く、丈夫で、周囲に自生している自然な素材である竹を、今もう一度見なおそう、ということなのでしょう。コンクリートや鉄骨に比べて、その環境への影響の小ささ、そして持続可能性の大きさは、まさにとんでもない違いですから。

 

同じくインドネシアのカリマンタン島に古くから伝わる「長屋」を模しつつ、現代の技術である「シザーストラス」を用いてつくられたこの軽やかで美しい屋根は、素材とデザインとのマッチングの妙を、我々に感じさせてくれます。

 

伝統の工法に、現代の工法のエッセンスを取り入れ、昔では出来なかった規模の建築を実現させているこのような素晴らしい事例は、自分が日々取り組んでいる木の家づくりにも勇気を与えてくれるような気がして、とてもワクワクする楽しさを感じますね。

 

日本の伝統建築では、竹はその使い方にいくつかの決まりがあるように思います。例えばひとつは「バリア」のデザインですね。竹を使った垣はいろんな種類がありますし、通り道の先に竹が一本渡してあるだけで、「ここから先は行っちゃ駄目」の意味だと、すぐにわかります。

 

そしてまた別の使い方が、「涼しさの演出」です。濡れ縁の一部が竹になっていると、その足ざわりが全く違い、とても涼しく感じます。竹林の涼しさを想像するからでしょうか。ほかには鹿威しや竹枕、あるいは竹の器なども、同様の感覚ですね。流しそうめんも!

 

このバリ島の大屋根は、そんな日本人の感覚を大きく刺激するが故に、なおさら涼しげに、気持ちよく感じられるのだろうと、私には思われました。

 

もちろん、四季のある国・日本では、建築基準法とは別に、気候的にこんな屋根は難しいですね。あくまでもインドネシア向けの建物であり、日本ではこれからの季節にだけ合うような、そんな気持ちよさなのであります。


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