姫路城いろいろ

逆揚羽 「逆揚羽」の瓦

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

平成21年10月から、5年間の「平成の大修理」がおこなわれている国宝・姫路城。今までのこのブログで何回かその修理に関すること、その際に発見されたことなど綴っていますが、その後も色々と興味深いことがあるようです。

 

まずは、外壁の話。別名「白鷺城」と呼ばれるこの城、その美しい漆喰の外壁がその由来です。しかし、漆喰の外壁は、場所によってはカビや汚れで徐々に黒ずんでくる場合があり、実際修理前の壁にもかなり変色しているところもあったとか。

 

そこで今回の修理では、大天守の壁や屋根目地の漆喰にカビが生えるのを防ぐため、漆喰に液体状の防カビ強化剤を吹付けることになった、とのことでした。

 

その強化剤、市と文化庁とが協議しながら、昨年の6月から実験を進めていたもの。約1年経ってその効果が認められたため、実施となったようです。自然な素材なのか、その成分がちょっと気になりますね。文化庁が絡んでいるので、おそらく大丈夫かと思いますが。

 

ちなみに今回の大修理にその「吹付け工事」が加わったことによる工事費の増額は、約2億2500万円!さすがに城ひとつというと、吹付けとは言え、すごい分量なのですね。それで永く「白鷺」の姿が保たれるのであれば、確かに意味はあると思いますが…。

 

そして、もうひとつは瓦のお話。この姫路城を築城したのは武将・池田輝政公です。その池田家の家紋は「揚羽蝶(あげはちょう)」。そのため、城の瓦には揚羽蝶の紋がたくさん彫られています。

 

ところが今回の大修理で、その家紋が天地逆に取り付けられている瓦が見つかり、話題になっているんです。「逆揚羽」の瓦は、大天守の最上階、三角屋根の端部(ケラバ)に設置されていた2本だったとか。

 

この瓦には「昭和35年度」との刻印があったそうで、約50年前。「昭和の大修理」の際に取り付けられたものなのですね。他にも、江戸期の瓦にも「逆揚羽」はあったといいます。

 

なぜ、家にとって大事な家紋を逆さにつけるのか?私は冒頭の「逆揚羽」の写真を見た時、なんとなく直感的に、「これはもしかして何かのおまじないか?」と思いました。昔の人は現代人以上に、「ゲンを担ぐ」ことが多かったはずですから。

 

屋根の廻りに「水」に関係するものを設置する、というのもそのようなおまじないのひとつです。水という文字をつけたり、「懸魚」という魚をかたどった飾り物をつけたり、古い民家でもそのような工夫がよく見られますね。

 

結局のところ、この逆さ瓦の確かな理由は判明していないそうですが、いまのところの推測では、この瓦は「未完成」の象徴ではないか、とされているようです。

 

建物というものは「完成した瞬間から崩壊が始まる」との言い伝えがあり、それをこのような不完全なものをつけることで、あえて未完成の状態とし、それによって城の繁栄を願ったのでは?と言うのです。なるほど、やはりおまじない、というか、昔の人の祈りのようなものなのですね。とてもよく理解できます。

 

築城の際のとてつもないその作業、あるいは今までの幾度もの大修理、たくさんの人々の祈りや念が込められて建っている、白鷺城。やはり未来へ向けてその美しさをつないでいくこと、そこに現代の技術を加味していくことが、我々にとっての義務だと言えそうです。


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