見えない建築

 

ご愛読、ありがとうございます。KJワークス・木の家の設計士、山口です。

 

今日は午後から梅田でショールームでの商品確認と打合せがありましたので、その後の時間を少しお休みにさせていただいて、中之島の国立国際美術館へ足を延ばしてきました。

 

スペインの巨匠、エル・グレコ展が24日までということで、年末のバタバタの前に見ておこう、という算段です。とても大規模な展示で、3時過ぎから見始めて、あっという間に閉館時間の5時になってしまいました。

 

大作「無原罪のお宿り」を始め、宗教画家とされることの多いエル・グレコの、それに留まらない多彩な魅力を感じさせてくれるとてもいい展示でした。わざわざ時間をとって見に行った甲斐があるというものです。

 

5時になって美術館から出て撮ったのが、冒頭の写真です。入るときは時間がなくて焦っていたので、この大きなオブジェを撮って初めて、ああ、今まで地下で作品を鑑賞していたのだなあ、と感じられたのでした。

 

そう、この国立国際美術館は、13,500㎡もあるというその床面積のほとんどが、地下にあるのですね。展示室は地下3階まであり、反対に地上には、先のオブジェで飾られたエントランスホールだけがあるという、まさに「見えない建築」なのです。

 

このオブジェは「帆船」と「竹の生命力」をイメージしてつくられているそうで、確かに夕空に映えるそのシルエットはとても美しい曲線だったのです。しかし、これが本当に必要なのか、と言われれば、少し「?」という気もしますが…。

 

通常、建物には外観と内部とがあります。そして外部から内部へと通じる部分、外と中を繋ぐ部分というのが、建物の入口であり、窓なのですね。

 

この建物(というのがいいかわかりませんが)は、美術館というその特性故に、自然光はなくても遜色なく、このような地下建築が実現したのだと思います。住まいとして使われる建物は、このような「全部地下」という建て方は無理ですね。人間らしい居住環境をつくることは不可能だと感じます。

 

今日は「見えない建築」を体験することで、私は「窓」というものの大切さ、人が暮らすことへのその役割の重要さを、改めて感じることができたのでした。


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