本棚の向き

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

木想家には、よく造り付けの本棚が登場します。PCコーナーの横や、書斎の中など、家づくりの際に本棚を一緒につくって、一挙に蔵書をおさめてしまいたい、と考える方は、たくさんおられますね。

 

吹抜けや階段をつくる時、その「穴」に落ちないように、手摺をつくります。どうせ手摺をつくるなら、それをカウンター状の本棚にしてしまったらどうか、というご提案もよくしていて、そうすると、思わぬところにたくさんの本がしまえたりします。

 

その場合は、本棚の本の向きは「穴」の反対側、というのが普通になります。それはそうですよね、吹抜けに面した本棚で、吹抜け側に本があったら、取れませんから(笑)。

 

でも、たまにはこういう本棚もあるんですよ。冒頭の写真がそれ。階段に面して、階段側につくった本棚です。ちょうど奥様が本を戻してらっしゃるところですね。

 

この本棚、ちょっとしか映っていませんが、この右側はテレビボードです。それも造り付けでつくって、その後ろの部分、テレビのバックの壁をそのまま本棚にして、階段側に本が置けるようにした、というものなんです。

 

この本棚、普通なら設計段階で、「本が取り出しにくい」と敬遠されそうです。でも、この場所に実際に立ってみるとよくわかるのですが、実はここは、とっても楽しい場所なんです。この家でも、子どもたちに人気の場所になっています。

 

というのは、こうすると階段が「本を読む場所」になるから。ただの通過動線だった場所のはずが、立ち止まって本を探し、そして段に座ってちょっと読んでみる。そんな「人の居場所」になったから、なのでしょう。

 

お客さまとの家づくりの話し合いの中で、この本棚のアイデアは出てきました。造り付け本棚の場所がなくて、ではここにしましょうか、という感じでつくったのですが、それがこんなに豊かな場所を生み出すなんて。これこそ「嬉しい誤算」というものですね。

 

家の中に、色んな「居場所」をつくりたい。いつもそう思っています。そのための仕掛けはさまざまに考えられますが、本棚というもの、階段というもの、その二つをうまく組み合わせることも、よい方法になる。それをこの家、このお客さまに教えられました。そんな設計術の引出しを増やしていただけて、本当にありがたいです。

 

実はこのお宅、7月末に発売される雑誌「住まいの設計」に掲載されます。「地元で評判の工務店で建てた家」というコーナーに載ることになっていて、もうそろそろ私のところへ原稿が届くころなんです。

 

ライターさん、この楽しい本棚の場所のことも書いてくれたかな。他にもいっぱい見せ場がある素敵なお宅なので、全部は無理かな?今日は、そんなことを思ったりしていたのでした。


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