阪神よいとこ:竹中大工道具館

s-2014-01-29 14.42.53

 

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

少し前ですが、建築人にはよく知られた場所、神戸市中山手にある「竹中大工道具館」に、久しぶりに行ってきました。そういえば先日、弊社の山内も、ブログ「日々是好日」に書いていましたね。中の展示はこんな具合です。

s-2014-01-29 14.56.14

 

ここはその名の通り、「大工道具をテーマとした博物館」なのです。設立は竹中工務店。今は大手ゼネコンですが、同社の創業は慶長15年(1610年)と、江戸の初め。長い歴史の中の多くは、木造建築のつくり手だったんですね。その道具を後世に遺す、という趣旨でつくられた博物館です。

 

大工道具と言えば鑿(のみ)や鉋(かんな)、鋸(のこ)といったものですが、戦前の調査では、この大工道具の標準編成として、実に179点の道具があったといいます。物凄い数ですね!鑿が49本あったとか。それほどまでに道具を使い分けてつくられてきた、ということに感動します。この179点全ての展示もありますよ。

 

また、日本刀と同じく、これら道具の刃物のつくり手にも、「名工」と語り継がれる人物が何人もいるのです。ただ、名工の良い作品ほど長く、刃が無くなるまで使い続けられるため、その作品が後世に残りにくい、という宿命を背負っています。

 

この大工道具館には、そんな中で残った素晴らしい名品の展示もあります。「嵯峨の秋」「香憶」などの銘が刻まれた名工による鉋の刃、それはもうそれだけで、まさに日本刀と同様の芸術品として、鑑賞者の胸を打つのです。

 

私も何回か足を運んでいて、そのたびに木造伝統工法を支えてきた道具たちの歴史や、その考え抜かれた姿かたちを愉しんでいるのですが、実は今回足を延ばしたのは、この大具道具館が移転する、という噂を聞いたからなんです。

 

行って受付の方に聞くと、やはりそれは真実でした。この10月に、新神戸駅前に新館ができるそうです。そのパンフレットもいただきましたが、そこに「1984年の開館以来30年。来館者数のべ25万人」とあって、その数にも驚いてしまいました。

 

でも、確かに木造に携わる人間にとって一種の巡礼地のような場所ですし、それも当然なのかもしれません。でも、もう30年もここにあったのか、というのが私の正直な感想です。冒頭の写真のこの外観も、静謐な感じやプロポーションがとても好きな建物なんです。

 

今度できる新館、パンフにCGが載っていて、瓦葺の平屋の建物。なんだかまだピンと来ませんね。展示スペースも大幅に広くなるということなので、その点は期待できますが…。

 

木造建築を永く活かすために使われてきた大工道具、それを展示する建物が寿命30年。新館に移ってからこの建物がどうなるかは聞いていませんが、ゆめゆめ解体などは、しないでほしいものです。

 

今のこの竹中大工道具館の展示は5月17日までだそうです。私も今回、しっかりと目に焼き付けてきました。気になる方は、ぜひそれまでにご覧になることをお勧めいたします。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です