阪神よいとこ:今津の燈台

2014-02-27 13.05.32

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

私は木造建築が大好きで、中でも歴史を経た、いわゆる古民家というような建物に目がないのですが、それと並んで好きな建築物に「灯台」があります。海のそばへ旅行に赴く時は、必ずよい姿の灯台がないか事前に調べるということ、ここに告白いたします(笑)。

 

実は、そんな私の2つの好みにまさにドンピシャと言える「木の灯台」が、阪神地区にあるのを皆さんはご存知でしょうか?冒頭の写真がそれ、西宮市の今津港にある「今津灯台」です。今日久しぶりに、用事のついでにちょっと立ち寄ってみたのでした。

 

ここ西宮市は、言わずと知れた「灘の酒」の産地。この灯台は、今の「大関酒造」を営む長部家が、1810年(文化7年)に今津港頭に建設したものが最初だそうで、全くの「民営」のものなんです。 その役目は、今津港から江戸へと酒を積んで船出する「樽廻船」の安全を守ること。

 

地元の民からは「灯篭」と呼ばれていたとか。港の常夜灯として機能させるため、毎日毎日、酒蔵の丁稚さんがここに灯を点しに通ったのだそうです。電灯のない当時は、この灯明だけで充分に役目を果たしたんですね。

 

文明開化以降、段々と港も様変わりし、さらに昭和に入って室戸台風をはじめ何度かの台風被害を経て、今津港にも防波堤がつくられました。今ある灯台は、1965年(昭和40年)に解体復元されたものですが、しかしその姿は往時のまま。市の指定重要有形文化財にもなっている、この辺りのシンボルです。

 

私も久しぶりに見て、うん、やはりなんとも言えず良い姿をしていますね。天辺の屋根なんか、もうたまりません(笑)。雨で港の景色は今ひとつではありますが、本来灯台というのは、こういう視界の悪い時や夜にその本領を発揮するものですから、これが本来のあり方なのかもしれません。

 

文化財としては「木造袴腰付燈篭形行灯式灯台」という長い名前のこの今津灯台。でもその佇まいは、むしろ旧字体で「燈台」と呼んであげたほうが良いような味わい。私はそんなふうに感じますね。

 

海上保安庁にも認定されている本当の灯台であるため、夜には「不動緑光」という緑色の光を放っています。でも、できることなら一度だけでも、昔のような「火の灯り」が点っているところを見てみたいものだなあ。

 

今日は雨の中、永くこの港を守ってきた木の燈台を眺めつつ、そんなことを夢想していた次第です。


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